『書店本事 個性的な台湾書店主43のストーリー』出版記念パーティ

取りとめもなく記しておく。

思えば昨年の9月8日に日比谷図書文化館へ台湾ドキュメンタリー映像集『書店裡的影像詩 ~ Poetries From the Bookstores』を観にいったのが発端である。10ヶ月前のことなのだが、その日の暑さと空の青さと東京ミッドタウン日比谷で食べた本場のミートボールのうまさは忘れられない。

見事クラウドファンディングが成立し、約一ヶ月前に本が届いた。今日はその出版記念パーティがあるので、派遣スタッフ2名の送別セレモニー後に、やりかけの仕事を放り投げて、原宿駅近くのテーブルギャラリーなるイベントスペースへ駆けつける。

実は竹下通りというところに足を踏み入れたのは初めてかもしれない。随分と国際色豊かな通りである。まだ明るい時分で比較するのはおかしいのだが「歩きやすい台湾の夜市」という趣きである。グーグルマップを見ながらでも、どうやってそこからテーブルギャラリーのある場所にまで入ってよいかわからなかったのだが、通りの中ほどのセブンイレブンまで行くと渋谷側に車が通れる通りが現れてそこからたどり着いた。一歩通りを外れると静かである。

サウザンブックス古賀さんの司会でスタート、前半は『書店本事』翻訳出版プロジェクト発起人の小島あつ子さんと台湾文学研究者・大妻女子大学准教授の赤松美和子さんのトーク。赤松さんの台湾文学をめぐる話は大変面白く、ご自身も、誰が話しをするのであろう?と楽しみにしていて2枠確保していた出版記念パーティで、何と自分が話をすることになった、というところから一気に引き込まれた。

台湾の文学は何語で書かれているのか?台湾自身の揺れ動く歴史と共に書く人の出自や言語も変わっていく。終戦で台湾から日本語が一気に失われてしまったことは残念であるが、これも歴史である。台湾文学に関する膨大なリサーチに裏打ちされたディープでわかりやすい話が続く。時間の関係でスキップしながらの進行。特に面白かったのは「文学キャンプ」。反共教育の一環として始まった文学キャンプが民主化の進む今日まで(多少廃れながらも)続いている。筆者との距離が近い、というのはうれしい事である。

小島あつ子さん自身のお話もあり、ここでも天野健太郎氏が重要な役割を担っていたのだと改めて認識。健在であられたならば、このプロジェクトの進行も、今日のパーティもまた違ったものになったのではないかと思う。

後半は立食パーティ、funacocina(フナコシーナ)さんのいろんなサラダやパンの取り合わせ。ケータリングサービスもやっているようでチョイスしやすい。サラダがどれもおいしい、甘いものが苦手な方以外にはおすすめである。ブルグル?とかいう料理が特に気に入った。

途中、装丁・本文デザインを担当した山口さんのお話あり。6種類くらいカバーの候補がイベントスペースに展示されていてそれらの紹介や古賀さんも知らなかったという文字の部分が下寄せになった真の理由が興味深かった。妻はこういうカバーを作るのをやりたい(早く中身を書きなさい!)とのこと。

週末の疲れがどっと出て、後半はあまりいろんな人と話ができなかったが、持ち帰りの食事もいただいて大変有意義なパーティであった。始まる頃は非常に蒸し暑かったが、パーティ中に一雨あったようで、出る頃にはかなり涼しくなっていた。

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