第60期将棋王位戦7番勝負第1局1日目 天空の強烈な悪意すら感じる九州南部の豪雨、それを振り払うかのように夏の本場所、王位戦開幕

何やら大災害を発生させるまでは決して許さないぞ、というおぞましいゼウス(ギリシャ神話における主神で天空神)の悪意を感じてしまうのは私だけだろうか。昨年の西日本豪雨の累積降雨量を既に凌駕しているという。しかも、熊本は大地震で傷ついたままである。一刻も早く降り止むことを祈念する。

さて、豊島将之王位にとっては、現在土俵に足がかかった状態の棋聖戦とのダブルタイトルマッチになった。これで王座戦・竜王戦まで勝ち上がると秋までずっとタイトル戦だらけである。竜王・名人を含む五冠王への夢はまだまだ現実的である。渡辺明が鬼門である。

対戦相手は最近とみに脚光をあびている木村一基九段である。苦しみ抜く、という言葉に実直で飾らない人柄がよく表れていると思う。

こうなると応援したくなるのが世の常なのだろうが、藤井聡太七段が完全に手がつけられなくなるモンスター化したときに最後まで立ちはだかるのは豊島将之名人(三冠)であるとみているので、ここは涙をのんで首斬り役を全うしてもらいたい。

戦形は横歩取り、豊島王位の研究網内である。早くも先手王位の優勢が伝えられる中、50手目を木村九段が封じて1日目終了。

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