第60期将棋王位戦7番勝負第4局2日目 入玉模様の将棋はもはや将棋ではない別の競技である

285手の超長手数の将棋で木村九段は星をタイに戻し、豊島名人は(批判はあろうが)驚異的な粘りをみせつけた。投了は21時12分、さすがに盤上のとっかかりを全て失って、ある意味投げ時を逸してしまったかのような状態であったが、突然の終局だった。AbemaTVで両者の画像がサムネイル状態だったことからもその唐突感がわかろう。

本局で印象的だったのは最終盤での意外な手の数々。豊島名人の△7一香の意味が一瞬わからなかった。起死回生の大駒取りを狙っていたものだった。

封じ手までは500点プラスであったから、やや名人ペースであったと思う。それ以上に2日目の木村九段の差し回しが神がかっていた。あの劣勢から入玉し、あたかも点数稼ぎのはさみ将棋のような別の盤上遊戯にまで持ち込んだ豊島名人の粘りには感嘆せざるをえない。この両者は8月23日(金)にも竜王戦の挑戦者決定戦第2局があるのである。体力温存を考えたらここまで頑張る必要はなく、さっさと投了してよかったのだ。

完全に強さを発揮してきた木村九段はこれで星を戻して、改めて(くしくも竜王戦の挑戦者決定戦と同じ)3番勝負。念願の最年長初タイトルの可能性も出てきた。王位戦と竜王戦挑決がフルセットになると冗談のつもりで言っていた十番勝負が実現してしまう。体力勝負では年齢からして、豊島名人がかなり有利かもしれない。

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