藤井聡太二冠に公式戦5戦全勝、豊島将之竜王は真に次期覇者の強大な壁になり得るか!? 2020年度(第41回)将棋日本シリーズ

もしかしたら、という予感は的中した。豊島将之竜王が藤井聡太二冠に未だに無敗の5戦全勝となった。竜王が横歩取りに誘導し開戦、とんでもないジェットコースター評価値チャートを残して藤井玉を打ち取った。⇒朝日新聞DIGITAL

四段昇段以来常に話題の中心にあり、武漢風邪自粛の期間にさらに磨きがかかって、もはや止めるものは第一人者の渡辺明三冠も含めて誰もいないと言ってよい藤井聡太二冠。その藤井聡太に公式戦5勝0敗とただならぬ結果を残している豊島将之竜王は真の壁になり得るか?

今日の勝ち方をみたら、双方終盤はやらかし放題で、藤井聡太93-7豊島将之だったものが藤井聡太1-99豊島将之になったりしているのだ。これではどちらも弱い。単なる相性の問題で豊島では藤井聡太の本当の壁にはなりえない、と考える人もいそうだ。

私は実はそうは断定できないと思っている。今後5~6年は強力な壁になり得る可能性は十分にあると思っている。

今季名人位に就いた渡辺明は36歳、豊島将之はそれより6歳若い30歳、名人位を喪ったのは痛切の極みであったが、A級順位戦、叡王戦と復調している。3連続防衛失敗はそれまでの力しかなかった、とより力をつける前提で、藤井聡太が史上最強と化す前の最後の抑止力となりえるだろう。

藤井聡太の現時点での弱点は➀短い持ち時間➁今回の横歩取りで垣間みせた激しい戦型での研究不十分である。持ち時間の長いタイトル戦ではは当てはまらず、未経験の戦法であってもは補ってしまうだろう。藤井聡太以外の現タイトル保持者(渡辺明、豊島将之、永瀬拓矢)は彼が挑戦者にならないことを祈るしかない。逆にNHK杯や将棋日本シリーズあたりは首を取る狙い目だ。

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