前世代の王者を終始圧倒、豊島将之竜王 防衛まであと1勝 第33期竜王戦七番勝負第4局第2日

AI評価値がすべてではない。だが、一度もその評価値が相手に振れることなく徐々に優位を拡大して、最後は自玉詰みなし&相手玉必死をかけての勝利は圧勝と言っていいだろう。これで全豊島ファン待望の初防衛まであと1勝となった。ここから羽生九段の負けなし3連勝は絶対にないとは言えないが、まず考えられない。今期の竜王就位式にも参加したいな。

本局、豊島竜王としては失着はほとんどなかったのではないだろうか。対して羽生九段のほうは飛車のぶつけなど全盛期は羽生マジックなどと呼ばれていた攻撃をみせたが、全て竜王につぶされている。これは単純な力量の差なのだろうと思う。往年のファンが寂しく感じるのもわかる。今や妖しい手を放って相手を幻惑、疑問手を呼ぶのは豊島将之のほうである。豊島ジックと呼ぶのはいかがか。

また、王将戦挑戦者決定リーグに続いて羽生九段を先手で制した。謎の後手番連勝はこれで霧消された、としてよいだろう。

豊島竜王は明日、丸1日かけて陸路、鹿児島から東京へ。そして30日には永瀬王座との王将戦挑戦プレーオフ。もうお互い今年うんざりするほど戦ってきた四強の一角である。大いに楽しみだ。

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