敗着のない相手に勝つということの摩訶不思議さ、竜王防衛を果たしキャリア最強状態を更新しつつある豊島竜王は一刻も早く、渡辺名人へのリターンマッチを実現すべし

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1日目、ふわりと出た角が感じいい。竜王の角の使い方には常に注目。

2日目の午前中。その角をピン止めされたこれまた軽やかな飛車の動き。
竜王は8筋を抑え込みにかかったが、飛車先が重たく思ったよりも効かないパンチのようだ。このあたり、徐々に形勢は先手に傾いており、視ていて苦しくなって一時的に視聴を止めていた。ちょうど外出しなきゃいけなかったし。

飛車を追いやり歩が2筋を食い破って最強の駒「と」へ脱皮。羽生九段快調、と思えたこの瞬間が既に豊島竜王へ形勢が傾いていた、というのだから将棋は恐ろしい。正直この将棋において羽生九段の敗着は見いだせない。

見事な受けの一手、△5一銀。狙いは少なくとも3つあって➀飛車の横利きを通す➁銀の利きで5二を守る➂玉の6二への退路確保。流石である。

別に歩でもよかった合駒。ここでの桂が最後は羽生玉を追いつめるとは。そう、豊島将棋では桂の動きも要注目である。昨年の竜王戦でも暴発かと思われた桂はねがあったし。

以降は後手が圧倒したようにみえる。羽生九段は中盤までは竜王を押し込んでいるし棋力が下がったというよりは2日目午後以降までの体力が持たなかったのが、1-4という結果の原因ではないかと思う。豊島竜王はとにかく中盤後半からがとんでもなく強い。詰ませる技術では古今随一の藤井聡太二冠でも、盤面での妖しい泥沼化で逆転してしまう。光速とは言えないが確実に相手玉を仕留める。

渡辺明へのリターンマッチは今をおいて他はない。王将戦の挑戦権を逃したのは痛かった。が、竜王戦との間隔のなさを思えば致し方なかろう。幸い今後は対局間隔があく。まずは12月9日A級順位戦、vs斎藤慎太郎が最重要対局。4勝0敗とこれ以上走られたら既に2敗の豊島竜王は追いつけない。確実に勝って星1つ差でプレーオフに持ち込みたい。来年はド厄介な永瀬王座も上がってくるし。

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