三冠王を狙うエンゼルス・大谷翔平に当たりが戻った。日本時間17日のレンジャーズ戦は2番DHで出場し、1本塁打を含む4打数3安打1打点1得点。9日のジャイアンツ戦以来7試合ぶりに三振なし。
大谷は第1打席で先制42号ソロ。その後は2本の内野安打を放ち、今季13度目の猛打賞で打率は3割キープ。13日には、ナ・リーグのブレーブス・オルソン(43本)に一気に抜かれてメジャー最多本塁打から陥落。ホワイトソックス・ロベルト(32本)、レンジャーズ・ガルシア(30本)を抑えて依然としてア・リーグトップだが、そのライバル2人がここにきて量産態勢に入った。大谷は8月に入って長打が減り、15試合で3本塁打。ロベルトは11試合で3本、ガルシアは15試合で5本と、大谷を上回るペースで本塁打量産。
8月のペースで換算すれば、大谷は残り40試合で8本しか上積みできず、50本塁打で今季を終えることになる。今以上に大谷の当たりが止まり、ロベルト、ガルシアが一発を量産し続ければ、本塁打王争いの行方はレギュラーシーズン最終戦までもつれた挙げ句、土壇場で逆転される可能性まである。二刀流ゆえの疲労から息切れに大谷にとって、終盤の熾烈なタイトル争いは圧倒的に不利だ。投打の二刀流をこなす疲労から、後半戦のパフォーマンスは極端に低下するからだ。
特に本塁打のペースは落ちる傾向にある。メジャー史上初の投打の規定数に到達した昨季は終盤戦での本塁打が激減し、8月は8本だったが910月はわずか4本。34本塁打に終わった。
今季の大谷は3月のWBCで二刀流としてフル稼働の上、レギュラーシーズン開幕後は、ほぼ中5日で登板。史上初の2年連続ダブル2ケタ(勝利と本塁打)を達成したが、7月以降は体の至るところにけいれんを起こしている。ここにきて右腕の疲労を訴えて予定していたレンジャーズ戦の登板を回避した。今季はリアル二刀流をこなした過去2年と比べても満身創痍の状態だけに、驚異的なスタミナの持ち主である大谷であっても、いつ息切れしてもおかしくはない。
大谷が熱望してきたポストシーズン進出を争う9月を過ごすのは無理でも、タイトル争いは最後までヒリつく展開になりそうである。