40年前に身に染みつかせておきたかった6つのルール。
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1.上司に気に入られないと、何もできない
あらゆる組織では、上司に気に入られないと、何もできない。私は本当に多くの会社を見てきたが、社内営業が不要、つまり上司に気に入られなくてもいい、という会社は、本当にわずかだった。
もちろん口では皆「好き嫌いで評価しません、公平で公正な評価をしています」と言う。
しかし、どんな人にも「個人的な好き嫌い」が存在しており、かつ「好き嫌いを全く考慮せずに評価」ということはありえない。人間である以上、必ずバイアスがあるのだ。
ピーター・ドラッカーは「若いやつは、好き嫌いを軽視するけどやめとけ、少なくとも礼儀正しくしろ」と言っている。
不作法を許してはならない。若い人は礼儀を偽善として嫌う。実質が重要だとする。雨が降っているのに「グッドモーニング」というのはおかしいという。だが、動いているものが接触すれば摩擦が起こるのが自然の法則である。礼儀とはこの摩擦を緩和するための潤滑油である。
若い人にはこれがわからない。昔は親にぴしゃりとやられたものである。必ずしも好きになれるとは限らない者同士が共に働くには、礼儀が必要である。
大義は礼儀を不要にしない。無作法は人の神経を逆なでし、消えることのない傷を残す。逆に礼儀がすべてをよい方向に変える。
2.頑張る人が評価される
「頑張る人が評価される」当たり前じゃない?と思う人も多いかもしれない。
しかし、当たり前ではない。なぜなら、「頑張りではなく、成果が評価される」と思っている人も、また多いからだ。
しかし「成果をあげている人」と「頑張っている人」のどちらが評価されるかと言うと、通常、組織は「頑張った(ように見える)人」を評価する。これは理由が2つある。
1つめ、「成果」は、必ずしも当人の仕事ぶりから得られたものではない。
前任者の努力、縁の下の人の努力、市況、たまたまの大型受注など、会社員は様々な条件から「成果」が曖昧になる。「彼はラッキーだったんですよ」と言われてしまう。
2つめ、ひとは「頑張っているひと」が好きである。
もっと言えば、人間社会には「頑張っているひとは、長期的には報われるべき」という信仰が存在している。だから、地味な仕事を黙々とやったり、人の嫌なことを進んでい引き受けるなどの「頑張り」は必ず誰かが見ている。
そして逆に、周囲は長期的には「成果は出しているけど、嫌な奴」を排除するように動く。なお、「頑張っているフリ」だけでも出世は可能だ。だが、実力はつかない。それはやめておいた方がいい。成果は自分の実力のために出すものだ。
頑張りを人に見せつつ、成果も出す。それが唯一の解となる。
3.陰口はNG
仮に、一時的に同調してくれても、それは社交辞令であって、真に周りが思っているのは「お前もあいつも、似たようなもの」だ。
4.上司が出世しないと、自分も出世できない
特に大きな組織では、上司を出世させて、初めて自分が出世できる。だから、上司を攻撃しても、上司から疎ましく思われるだけで、得るものはない。上司を攻撃するのではなく、上司のやって欲しいことを把握し、上司を利用し、上司を出世させること。
これについても、ドラッカーは深い洞察をもっている。
これは世間の常識である。現実は企業ドラマとは違う。部下が無能な上司を倒し、乗り越えて地位を得るなどということは起こらない。上司が昇進できなければ、部下はその上司の後ろで立ち往生するだけである。
たとえ上司が無能や失敗のために更迭されても、有能な次席があとを継ぐことはない。外から来る者があとを継ぐ。そのうえその新しい上司は息のかかった有能な若者たちを連れてくる。したがって優秀な上司、昇進の早い上司をもつことほど部下にとって助けとなるものはない。
5.スタートダッシュで差がつく
この話は昔書いた。
新人のときに「最初の仕事を頑張りなさい」と言われた。時が経ってその意味がわかった。
・最初に持っているものが多かろうが、少なかろうが、やるべきことをやらねばならない
・失敗を恐れて何もしない人間は、持っているものまで、すべて取り上げられる
これは「マタイ効果」と言われる。世の中のほとんどの競争は「初期にあったほんの少しの差が、時間とともに増幅される」仕組みになっている。だから、とにかくスタートダッシュを決めること。「複利効果」によって、時間がたてばたつほど、初期のほんの小さな差が、巨大な差となる。
6.人に恥をかかせるな
人間は絶対的な待遇ではなく、その組織内での相対的な立ち位置によって、幸せを感じる生き物だ。つまり、「組織内で恥をかかされる=相対的な地位を落とされる」という行為は、もっとも憎むべき行為として、記憶される。
上司はもちろん、部下でも新人であっても、皆の前で思い切り叱る、無能さを強調する、罵倒する、間違いを遠慮なく指摘する、といっった行為に及べば、罵倒されたそいつは、恨みを決して忘れない。そして、機会さえあれば復讐を狙う刺客となる。
ひとに恥をかかせない。それだけを守るだけで、マネジメントは及第点と言ってもいい。