【備忘】各資産クラスのご紹介

各資産クラスの説明

① 現金

現金は、資産クラスの中でも最もリスクが低く安全なものです。銀行預金や財務省の国債などが含まれます。現金は市場変動の影響を受けにくく、即座に利用できるため、緊急時の流動性ニーズを満たすために保持されます。

② 外貨

外貨は、異なる通貨で保有される資産クラスです。主な外貨には米ドル、ユーロ、英ポンドなどがあります。外貨の保有は通貨リスクにさらされる可能性がありますが、通貨の価値変動によってリターンを得ることもできます。外貨は国際的な取引やヘッジの手段として活用されることもあります。

③ 現物:金

現物の金は、金の物理的な形態で所有もしくは証券会社等で購入できる金があります。金は古代から通貨として利用され、世界中で広く受け入れられてきました。現在ではインフレや経済の不確実性に対するヘッジとしての需要があります。金価格は市場の需要と供給に基づいて変動し、投資家にリターンをもたらす可能性があります。

④ 日本株式

日本株式は、日本の企業の株式を保有する資産クラスです。株式投資は企業の成長や配当を通じてリターンを得る機会を提供します。日本株式市場は日本経済の成長とともに変動する傾向があります。投資家は企業の業績やマーケットの動向を注意深く分析し、株式投資のリスクとリターンをよく検討する必要があります。

⑤ 外国株

外国株式は、国外の企業の株式を保有する資産クラスです。投資家は世界中の企業に分散投資することで、異なる国の経済成長や産業の好機を追求することができます。外国株式投資は為替リスクにさらされる可能性がありますが、グローバルな市場の変動によって多様なリターンを期待することができます。

⑥ 投資信託

投資信託は、複数の投資家の資金を集めて、専門のファンドマネージャーによって運用される資産クラスです。投資信託は様々な資産クラスに投資することができ、個別の投資家が直接資産を選ぶ必要はありません。投資信託はポートフォリオの分散化を容易にし、投資家に運用のプロフェッショナルな管理を提供します。

⑦ ETF

ETF(上場投資信託)は、株式市場で売買可能な投資信託です。ETFは特定の指数や資産クラスに連動するように設計されており、投資家は1つの取引で複数の資産を保有することができます。ETFは投資の透明性と流動性を提供し、個別の株式や債券に比べて手数料も低くなる傾向があります。

⑧ 補足:インデックス投資と個別株投資の違い

インデックス投資は、特定の市場指数に連動する投資方法です。投資家は指数を再現するために、対象となる銘柄をバランス良く保有します。一方、個別株投資は、個々の企業の株式を選んで保有する方法です。インデックス投資は市場全体のパフォーマンスに連動することができますが、個別株投資は企業の業績や運営により直接影響を受けます。

⑨ 国債

国債は、政府が発行する債券であり、投資家は政府に貸付ける形で債券を保有します。国債は安定した利息収入を提供し、比較的低いリスクを持つ資産クラスとして知られています。国債の利息は定期的に支払われ、元本は満期時に返済されます。政府の信用力によってリスクが評価され、信用度の高い国の国債は低い利回りで取引されます。一般的に、政府が信頼性の高い債務者であるとされるため、国債は安定性のある運用を求める投資家にとって魅力的な選択肢となります。

⑩ 社債

社債は、企業が発行する債券であり、投資家は企業に貸付ける形で債券を保有します。社債は企業の信用力や債務返済能力に基づいて評価され、利息収入を提供します。一般的に、社債は国債に比べてリスクが高いとされますが、それに応じて高い利回りを期待することもできます。

⑪ その他の債権

その他の債権には、地方債や企業債、特殊債などが含まれます。これらの債権は異なる発行体によって発行され、各々の特性やリスクを持っています。地方債は地方自治体が発行する債券であり、企業債は民間企業が発行する債券です。特殊債は特定の目的やプロジェクトに関連して発行される債券であり、インフラ整備や公共事業などに利用されることがあります。

⑫ 不動産

不動産は、土地や建物などの不動産資産を保有する資産クラスです。不動産は資産価値の保全やキャッシュフローの確保といった特徴があります。投資家は不動産を直接保有することもありますが、不動産投資信託(REIT)を通じて間接的に不動産に投資することもできます。

⑬ REIT

REIT(不動産投資信託)は、不動産に投資するために設計された投資信託です。投資家はREITに投資することで、不動産に関連するリターンを得ることができます。REITは不動産を所有し、不動産の賃貸収入や売却益を投資家に還元します。また、REITは市場で取引可能であり、流動性が高いという利点もあります。

⑭ 先物:原油

先物取引は将来の特定の商品や資産の価格変動に基づいて行われる取引です。原油先物は原油の価格変動に連動し、投資家に利益をもたらすことがあります。原油はエネルギー市場の重要な資源であり、供物の需要と供給の変動によって価格が変動しやすいため、投資家にとってはリスクの高い資産クラスとされます。

⑮ 先物:天然ガス

天然ガス先物も原油先物と同様に、将来の天然ガスの価格変動に基づいて取引が行われる資産クラスです。天然ガスはエネルギー資源として幅広い用途に使用されており、需要と供給の変化によって価格が影響を受けます。投資家は天然ガス市場の変動に対してポジションを持つことで、リターンを追求することができます。

⑯ 先物:金

金先物は金の価格変動に連動する先物取引です。金は世界中で広く受け入れられており、インフレや経済の不確実性に対する保険としての需要があります。金の価格は市場の需給バランスや金融市場の変動によって影響を受けます。投資家は金の価格変動を予測し、リスクとリターンを考慮して金先物市場に参加することができます。

⑰ 先物:金属系コモディティ

金属系コモディティ先物には銅、アルミニウム、鉄鉱石などの金属資源が含まれます。これらの先物は工業生産や建設業界の需要によって価格が変動します。金属系コモディティ先物は産業活動の指標として注目されることが多く、投資家は景気や需要動向を分析してリスクとリターンを評価します。

⑱ 先物:食料

食料先物は穀物、肉、砂糖などの農産物に関連する先物取引です。天候や農作物の収穫量などの要素によって価格が変動します。食料先物は食品市場の需要と供給に密接に関連しており、投資家は農業のサイクルや気候変動などを考慮して投資を行います。

⑲ 仮想通貨

仮想通貨はデジタルフォーマットで存在する通貨であり、ブロックチェーン技術を基盤としています。代表的な仮想通貨にはビットコインやイーサリアムなどがあります。仮想通貨は分散型のデジタル通貨であり、中央銀行や政府による管理を受けずに取引されます。仮想通貨の価格は市場の需給や投資家の関心によって大きく変動する特徴があります。投資家は仮想通貨市場の動向を注視し、リスクとリターンを慎重に評価する必要があります。

⑳ NFT

NFT(非代替可能トークン)は、ブロックチェーン技術を使用して一意のデジタル資産を表現するためのトークンです。NFTは個々のデジタルアイテムや作品に付与され、そのオーナーシップや真正性を確保します。NFTはデジタルコレクションやアート市場で注目を集めており、独自のリスクとリターン要素を持っています。

資産クラス同士の相関性

資産クラス間の相関性は投資ポートフォリオの構築と管理における重要な要素です。 この相関性を理解することで、リスクの分散化と投資リターンの最大化を図ることが可能になります。 今回の記事では、主要な資産クラス間の一般的な相関性について解説していきます。

株式と債券

株式と債券の相関性は、一般的には逆相関といえます。 これは、株式市場が好調なときは債券市場が弱い傾向があり、その逆もまた真であるという事象を指しています。 これは、投資家がリスクを取る意欲が高まると株式への投資を増やし、逆にリスク回避の状況では安全な資産である債券への投資が増えるためです。しかしながらこの相関が完璧なものではない点に関してもご説明します。

株式と商品

株式と商品の相関性は一定ではありませんが、一般的には中程度から強い正の相関が見られます。 これは、経済の好況期には株式市場と商品市場の両方が上昇する傾向があるためです。 特に、原油価格の上昇はエネルギー関連企業の株価にプラスの影響を与えることがあります。

株式と不動産

株式と不動産の相関性は一定ではありませんが、中程度から強い正の相関が見られることがあります。 これは、経済の成長やインフレの増加により、株式市場と不動産市場の両方が好調に推移する傾向があるためです。

債券と不動産

債券と不動産の相関性は比較的弱い傾向があります。 これは、債券の価格は金利と逆相関するため、金利上昇時には債券価格が下落し、逆に不動産市場への投資が増える傾向があるためです。

過去の相関データ

資産クラスの相関に関しては時代とともに変わっています。新たな資産クラスからの影響や、世界各国の景気や負債、技術革新、金融政策など、様々な要因で相関関係は変わります。前章で述べた代表的な相関関係も変わっていますので、必ず相関が成り立つとは考えず、広く状況を俯瞰的に把握し、ポートフォリオ戦略を逐次練り直すことは非常に重要です。

この下の表はJPMのデータをもとにして作成したエクセルデータです。グレー部分が直近10年の資産クラス同士の相関を表しており、1.0が完全正相関、0が相関無し、-1.0が完全逆相関となります。

資産クラス相関図

下表は上記表の中で相関が高いものに水色、相関の変化が大きいものに緑色を割り当てたものです。注目すべきは日本株式とドル円の相関が大きく弱まっています。ドル円の動きに常に影響を受け続けてきた日本株ですが、現在はドル円との相関から離れ始めています。一方で世界株式、米国株式との相関は変わっていません。

過去は未来を約束するものではないという事がこれでわかると思います。したがって、相関に関しては完全に信じるという事ではなく、マクロ経済データの裏付けを投資家なりに持つようにしていくことをお勧めします。

資産クラス相関図2
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