正直、この試合から全く違うチームになった。松山の右尺骨肘頭疲労骨折は痛いが仕方がない。
日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)が17日、6連勝中と勢いに乗る中日の戦力を「不気味な存在」と表現した。この日の阪神戦(甲子園)は雨天中止。先発予定だったドラフト1位・金丸夢斗投手(22)のプロ初勝利はまたもお預けとなったが、関大の先輩でもある岩田氏は「後半戦の柱になれる存在」と高評価。ドラフト4位・石伊雄太捕手(24)がもたらしている好影響にも注目した。
◇ ◇ ◇
阪神の首位独走でセ・リーグのCS争いが激化する中、6連勝中の中日が極めて不気味な存在となってきました。主砲の細川選手が右太もも裏負傷から復帰し、新助っ人ボスラー選手がようやく日本野球に適応し始めました。絶対的エースとして君臨するはずだった高橋宏投手が16日の阪神戦で今季初完封を飾り、2カ月半ぶりの白星をゲット。投打主力の状態が上がっている中、ドラフト4位捕手・石伊選手の奮闘がチーム力を一気に底上げしているように映ります。
いつの時代もセンターラインが固定されているチームは強いもの。その点、今季の中日は5月下旬に正捕手格の木下選手が左太もも裏負傷で離脱しています。今後に暗雲が垂れ込めたタイミングで、一気に台頭したのが石伊選手です。持ち前の強肩だけでなく、打力でも打率2割5分、1本塁打と健闘中。さらに打率1割台の二塁手・田中選手、遊撃手・村松選手に当たりが戻ってくれば、不動の中堅・岡林選手を軸に他球団に引けを取らないセンターラインが完成します。
その上、投手陣にはまだ起爆剤が残っています。私にとっては関大の後輩でもあるドラフト1位左腕、金丸投手のプロ初勝利です。ここまで7試合先発で0勝3敗ながら防御率は2・64。7試合中6試合でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)達成は立派な数字です。44回1/3で41奪三振13四死球と投球内容も上々。全球種でカウントを整えられる安定感もあり、後半戦は高橋宏投手と左右の柱になれる力の持ち主と言えるでしょう。
打線の援護に恵まれず未勝利である事実が唯一の誤算ですが、自分を疑う必要は全くありません。守護神の松山投手が離脱している状況でもありますし、イニングを投げてリリーフ陣の負担を減らす役割を全うしていれば、おのずと白星を積み重なっていくはずです。チームは6年ぶりのAクラスを狙う立場。大野投手らベテラン勢も含め、ナインは皆モチベーションが高いように感じます。ただでさえ“乗せ上手”の井上監督が指揮を執る中、ドラ1左腕がプロ初勝利を手にすれば、中日の勢いがさらに加速しそうな気がします。(日刊スポーツ評論家)
中日、DeNA3連戦に”左腕トリオ”投入、DeNAの「対左腕・負け越し7」の弱点を突く(中日スポーツ)
中日は19日から本拠地・バンテリンドームナゴヤに3位・DeNAを迎え、3連戦に臨む。カード初戦に先発するカイル・マラー投手(27)に始まり、大野雄大投手(36)、金丸夢斗投手(22)と左投手3人が先発する見込み。今季のDeNAは、相手先発が左投手の試合は13勝20敗2分け。7つ負け越している弱みを突く。
バラエティー豊かな左の3投手で前半戦最後のカードをいい形で締める。19日からのDeNA3連戦で先発が予想されるのはマラー、大野、金丸といずれも左投手。長身の助っ人に、復活を遂げた沢村賞投手、竜の将来を背負って立つゴールデンルーキーの3人で今季初の3カード連続勝ち越しを決める。
3位に付けるDeNAは、今季相手先発が左投手だった試合では13勝20敗2分けと7つの負け越し。相手先発が右投手の場合には26勝21敗3分けで5つの勝ち越しを決めている。中日戦に限れば、左の先発時も5勝4敗と勝ち越しているが、右の先発時はより力を発揮し4勝1敗。好投した金丸に勝ちが付かなかった試合などもあり、数字は”左の先発が苦手”と表している。
井上監督はそのデータを把握しつつも「そこはめちゃくちゃ意識したわけじゃない。今のローテーションの中にたまたま左が多かったというだけ」と説明。意図的でないにしろ中日にとっては験がいい巡りとなった。
先陣を切るマラーは今季3試合目のDeNA戦での登板。過去2度では防御率7・59でいずれも敗戦投手になった。相性はよくないが、いずれも敵地・横浜スタジアムでの登板。今回は防御率2・04と抑えているバンテリンドームでの登板だけに「楽しみですね。DeNAとは過去の内容はよくなかったのでなんとか一つでも取り返したい」と鼻息を荒くする。
2戦目は中7日で大野が先発するとみられる。3戦連続で白星を挙げて前回登板では自身3年ぶりの完投勝利。好投が続いているが「完投できて浮かれている場合じゃない。良かった次が大事」とベテランらしく心の隙は見せない。前半戦最終戦で先発が見込まれるのは金丸。プロ初登板以来となる本拠地での登板を前にこの日はマウンドから変化球を交えて20球を投じ、「投げやすいですし、良い感覚で投げられた」と8登板目でのプロ初勝利を狙う。