思っていたよりもその時は早く訪れた。
18時33分、藤井聡太投了。伊藤匠新叡王誕生を喜びたい。
1日制での短時間勝負、しかもチェスクロック使用、と藤井聡太をなぎ倒すにはこれ以上の条件はない棋戦。そのわずかな利を活かした伊藤匠叡王が見事であったとしか言いようがない。
振り駒で後手番、藤井聡太のエース戦法である先手角換わりを跳ね返しての勝利は実に大きな価値がある。
藤井聡太が生身の人間であることを証明し、対人将棋の底知れぬ魅力をまた発見した思いである。
何にせよ、伊藤匠叡王が藤井聡太のライバル一番手に躍り出たことは間違いない。