https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/3000007
「監督は中間管理職」工藤氏が考える“監督像”
(若狭敬一アナウンサー)
加藤球団社長、おそらく朝田本部長もそうですけど、工藤さんの本を読んでいるんですね。その結果、彼は監督を「中間管理職だ」と捉えていると。
私も今まで基本的にドラゴンズしか接したことがないので…監督って社長でしょと、オーナーでしょと、トップでしょとやや違和感もあったんですが…工藤さんは「監督というのは中間管理職です」と。いろんな方がいて、ときには板挟みにもあいつつ、最適解を見出していくという中間管理職だというお考えだということも知って、これも含めて中日のフロントは共鳴・共感していると。
加藤球団社長は「コーチ人事に対しての多くの要求もなかった」と。
大体やりやすい人を横に置くんですよ。ゼロじゃないかもしれません。さすがに工藤さんが呼んでくるコーチもいるかもしれませんが、ほぼほぼそれもおまかせしますと。
「愛知出身」の工藤氏 人選には関係なかった!?
細かいところでいきますと「地元愛知県出身というのが、人選で大きなウエートを占めていないか」という質問が飛んだときに「そこは大きくない」と。
“よくよく考えれば、名古屋の方だったな 愛工大名電の方じゃん”というふうだったそうです。地元だからだとか、OBだからだとかは、この人選には、ほぼほぼ関係ないということです。
でも地元我々からすると「愛工大名電の工藤さんがドラゴンズのユニフォームを!」と嬉しくなりますが、そこを中日のフロントとして狙っていたわけではないということです。
ことし90周年のドラゴンズ 長期的なチーム作りとファンの葛藤
聞き方によっては、ここから炎上します…。
複数回、工藤さんと中日の球団フロントは会って、いろんな会話がなされました。「どんな言葉を工藤さんにかけましたか?」という質問に対して、加藤球団社長は 「一番は次の100年に向けて、強固なチーム作りをしてほしい」と話したと。
この100年というのは「100周年」ということです。今年が中日ドラゴンズ90周年でした。90周年というのは阪神も巨人も優勝しているんですよ。我々もものすごく気合入れましたよ。そしてこの結果です。
だから「91年92年、来年再来年で早く結果出してくれよ」と。おそらくフラストレーションがものすごくたまっているファンの方が多いと思います。ところが、球団が発した一番大きな言葉というのは「次の100周年に向けて、強固なチーム作りをしてくれ」と。
待てるか~~い!何悠長な事を言っとるんだ社長!100年!?こっちは何年待っていると思うんだ。2011年球団連覇、落合監督。いいじゃないかあのまま落合さんにやらせとけばよかったんだ。ファンサービスがない!?野球がつまらない!?
そこから、いろいろいろいろいろいろいろいろいろいろあって…クライマックスシリーズは2013年から出ておりません。おぎゃーと生まれた子供が、 もう中学に行こうかという。ここで待っておいてまた10年とはこれいかにと。
ただです。ただ、ただですよ。正直このあたりは加藤球団社長も本音を吐露しました。
「早く結果は出して欲しいんです。ファンもそれを望んでいるとはよくわかる」と。ただ、早く早く結果結果というのは、ひょっとしたらこっちがかける言葉としては間違っているかもしれないということで、長い目で見守っていこうというスタンスであるということなんですね。
「契約年数は何年?」報道陣の質問に…
ただこれを皆さんどう取るかはもうおまかせしますが、球団は変わろうとしている、去年から変わり始め、まず2軍から着手し始めて、そしていろいろあって現在に至ると。機材や人材をいれて、組織改革も進めているのに、6位ってどういうことというご批判がありました。
監督も変わる、工藤さんを呼んでくる…そこから2027年いきなり結果出してよって思うかもしれませんが、そう簡単にはなかなかいかないっていうことも球団はちゃんと分かった上で、工藤さんにかけた一番大きな言葉が「次の100年に向けて強いチームを作ってください」ということです。
すぐ質問が飛んで来ましたよ。「契約年数は何年なんですか」と。さすがに言葉を濁しました。
何年契約という具体的な数字は出てきていません。ただ「結果が伴わないと、ファンからも厳しい声がでてくる」という表現をしたんですね。これは私の憶測なんですが、例えば3年契約としましょう。いきなり5年も10年も契約をすることはないんですよ。3年契約、短くても2年契約っていうパターンが多いんですね。
3年契約をしておりますが、成績があまりにも伴わないとファンが黙っちゃいない。世論がものすごく大きくなるので、 申し訳ないですけども2年でお辞めくださいっていうことはありえますよということを暗にほのめかしているということです。
これはおそらく過去にもあったでしょ。例えば谷繁監督は、シーズン途中に解任ということもありましたしね。山田監督もシーズン途中に解任ということもありましたので、3年、あるいは2年ですと言っておきながら、 あまりにもひどいと「1年とか2年でこちらからおやめください」ということはありますよということは、ほのめかしてはいるんですけども、スタンスとしては「工藤さん。あなたにおまかせするんじゃないんです。一緒に次の100年に向かって強固な組織、強固なチームを作っていきましょう」ということなんですね。
「昭和」ではなく「令和の監督」
いろいろと球団のフロントは工藤さんの考え方に共鳴・共感したと言っておりました。何に共感したか。
工藤さんの考えの中で「うわっ」と思ったのは、工藤さんは監督として何を大切にしているかなんです。
例えば、勝つこと・優勝すること、そりゃそうですよね。「一番はプロ野球選手に1年でも長く現役を続けてほしいこと」と話したそうです。
では、何するか。加藤球団社長に聞きました。「鍛えること」だと。ハードワーク・練習です。
「一番は現役選手に1年でも長く現役を続けてほしいというところ。そのためには鍛えることが必要。ただそれを今の時代、強制はしません。選手の話し合いを経て、選手の納得を得られて進みます」と工藤さんは言ったそうなんです。
このあたりが昭和ではなく、“今の時代にあった監督のスタイル”だなと、8日の球団社長の話を聞いて僕はすごく思いました。
かといって、ぬるくはないということです。選手が進みたい方向をちゃんとこっちも知って、「いやそのためにはこれやんなきゃいけないよ」ということをちゃんと話し合って進めるということなんですね。
選手に最適なモノを“カスタマイズ”
今、中日がやろうとしてることっていうのは、これは現場のスタッフの方々それこそ選手ではなく、組織を作る方々に聞いたんですけども、特に今年から明確にやろうとしてることは、「個別最適化」というテーマなんです。
支配下選手も育成選手も外国人選手もいて、たくさん選手がいるんですけども、それぞれにやっぱり特徴があって、それぞれにスタイルがあって、それぞれのやりたい方向があるから、当然全員に同じことをやらせなきゃいけない部分もあるんですけども、科学や医学、いろいろな知見を合わせていって、最適なものをカスタマイズして、それをやっていきましょうという中日の大方針とも合っているんですよ、工藤さん。楽しみで仕方ないですね。

