一部の日本人はどうしてALPS処理水海洋放出を「完全に安全」と言うことを信じてしまうのだろう3

しばらく引きずってしまうのは精神衛生上よろしくないことはわかっているが、kikumaco氏https://note.com/kikumaco/n/n1e7b21ff0420の主張を信じてしまう日本人の弱さに軽い怒りを感じざるを得ない。信じたいものを信じているのは私も同じだ。ただ、私は多くの人が向かう方向に同行することはないだろう。

検出限界以下が生物から見て安全といえる文献はみたことがない。検出限界は原子力の限界を示しているにすぎない。

以下、森重 晴雄氏のFacebookより無断引用(強調部分は臺灣貓老公によるもの)

推進派から反対派は汚染水問題について非科学的と非難している。であれば反対派の立場から科学的に評価してみよう。
環境省はトリチウムの未検出レベルは人や環境に影響なしとしている。これを原子核物理の観点から科学的に検証してみる。
と言っても足し算掛け算の世界で解りやすく解説したつもりです。
未検出レベルを環境省が示しているように7Bq/リットルとしよう。
この一文は1リットルの水にトリチウムが1秒間にβ崩壊しエネルギー18.6keVを7回発生しても計測装置は検出できないことを意味している。検出限界とは立派なものでなく技術の限界を示している。放射線計測機の計測限界とは原子力の技術力の限界である。
日本人の20歳以上の平均体重は男性67.4kgで女性で53.6kgと発表されている。
体重に占める水分の割合は男性で約60%、女性で約50%とされている。
したがって男性で平均40.4kgの水、女性で26.8kgの水を持つことになる。
ここでトリチウムに高濃度に汚染された魚を食べたとします。それでも体からトリチウムが観測されない最大の汚染レベルとします。以下にその計算をしてみます。
これに先ほどの検出限界濃度を掛けると計測装置で人体を測っても計測できない放射線量になる。水1kgは水1リットルである。検出限界濃度と体の水分をかけると全身から放出される放射線が求まる。
男性で平均283ベクレル女性で平均187ベクレルの放射線が放出されるが未検出レベルとなる。全身から1秒間に男性で平均283回、女性で187回、18.6keVの電磁波を放出している。かなりの放射線量であるが、情けないが今の原子力の技術では計測できない。
次にこの放射線が人体に与える影響を考えてみよう。ここでは遺伝子損傷を考えてみよう。DNAと言われている。DNAは2本のらせん形状の染色体が絡むように構成されている。染色体損傷と放射線の関係は国内外、数多くの研究がある。そのなかでも比較的最近研究されネットでも公開されている文献を紹介しよう。
「低エネルギー放射線を用いたDNA主鎖切断誘発機構の研究」と題して立教大学,理学部,檜枝光太郎教授らによって研究されている。実験の結論を言うと
(難解であれば下記項目を飛ばして結構です)
(1)15eV電子線によって1本鎖および2本鎖切断が、総量に対してほぼ直線的に誘発された。このことは1本鎖および2本鎖切断誘発の閾値が15eV以下であることを示す。特に2本鎖切断誘発の閾値が15eV以下であることが実験的に示された成果は大きい。
(2)低エネルギー電子線は2本鎖切断を1本鎖切断の数十分の1の比率で誘発し、この比がγ線による比と極端に違わないことが示された。
(3)低エネルギー単色光子によるDNA主鎖切断は、効率は極端に低いが4.3eVでも誘発された。
簡単に言うと、15eVで2本のDNAを切断してしまうとの結論になる。
トリチウムは1回に18.6keVのエネルギーを発する。kgと同じで、kは1000倍を示している。
18600/15=1240
この1回のβ崩壊で最大約1240個の2本鎖のDNAを損傷させることになる。
先ほどの繰り返しになるが、全身から1秒間に男性で平均283回、女性で187回、18.6keVの電磁波を放出している。これらの数字に1240を掛けると毎秒全身から発生するDNAの損傷数が求まる。
毎秒で男性で約35万個、女性で23万個、毎日で男性で303億個、女性で201億個、年間で男性で約11兆個、女性で約7兆個の染色体が最大損傷することになる。
効率を考えるとここまでの数字にならないだろう。効率を1/1000としても年間男性で110億個女性で70億個である。
ここで話を少し戻しましょう。体から出るトリチウムを検出限界としました。少し大きすぎると思われたでしょう。検出限界の1/1000とします。それでも年間男性で1100万個、女性で700万個のDNAが損傷する。
さらにDNAは自ら修復する機能がある。
しかし、これらに全てに修復できるだろうか。1個でも修復できなければガンに進む可能性が高い。
原発推進者で安全だと主張する学者はこのような論理でなく権威で押そうとしている。であれば私も権威で押し返すしかない。
最初の大学は名古屋大学であった。原子炉理論を習ったのは仁科浩二郎教授であった。仁科浩二郎教授の父親は日本の原子力創始と言われる仁科芳雄博士である。仁科父子鷹は訳書 ラマーシュ『原子炉の初等理論(上・下)』を訳されている。原書以上に解りやすく、日本の原子炉のバイブルとなった。私は怖れ多くも仁科芳雄博士の孫弟子となる。三菱重工に入社した後、この知識が実機に役立ったのは言うまでもない。
原子力発電所は一概にトリチウムを海洋に放出しているわけではない
私は四国電力伊方3号機の三菱重工建設責任者の一人でもある。3号機にはガス減衰タンクが6基ある。原子炉から発生したトリチウムを回収し一旦、このガス減衰タンクに貯蔵し一定期間保存し放射線を減衰させた後に、トリチウムを大気に放出している。トリチウムは非常に軽いので大気上空に拡散される。瀬戸内海に流していない。私はこのガス減衰タンク6基を現地にて据え付け指導した。
原発推進者の放射線研究者はDNAの自己修復のメカニズムも解き明かせず、原発の実態も知らず、どの面下げて安全だと言っているのだろうか。


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