某氏が読んでいた記事の切り抜き。
そりゃあ寿命が延びて老けなければ、その分、数学・世界史やって好きな本を心ゆくまで読みふけ、好きな音楽を聴きふける。
一日100錠、今日も私は若返る 人類寿命250歳への野望
テクノ新世 理想を求めて
・米の大富豪、年200万ドル投じ若返りに挑戦
・「寿命250歳以上」目指す老化防止研究進む
・生きる意味を見失い、自傷行為に及ぶ人も
朝5時の目覚めとともに、人類が背負う宿命との闘いは始まる。食事は午前中のみで、豆類などが中心。一日100錠を超えるサプリメントを飲む。赤外線や赤色光を浴び、肌をきれいに保つ努力も欠かさない。そして自分にこう言い聞かせる。「Don’t die(死なない)」
米ロサンゼルスに住むブライアン・ジョンソン氏(46)は、フィンテック企業を8億ドル(約1200億円)で売却して大富豪になった。次に生涯の目標にしたのが「死の超越」だ。
年200万ドルかけ体年齢を46→18へ
年に200万ドルをつぎ込み、自らを実験台に不老不死のプロジェクトを進める。46歳の体を18歳の頃に若返らせようと奮闘中だ。計画は1000本を超える論文や出版物に基づき、30人を超える医療チームが支える。常に内臓や血管、皮膚の劣化を検査し「老化を24%遅らせた」。
人類の寿命は19世紀の30歳前後から、医療や衛生環境の向上でその後の100年間に2倍以上に延びた。健やかな生涯を送りたいという素朴な願望は、20世紀に登場した遺伝子工学をきっかけに、120歳程度とされる生物の限界に挑む野望に変わった。
「人類に10億年分の健康を」。英ヒューマニティのアプリはこんな目標を掲げる。スマートウオッチで歩数や心拍、睡眠時間などを測定し、若返りを指南する。50万人分の遺伝情報などをもとに、AIで肉体年齢を推測するアルゴリズムを開発した。
30歳の記者が実際に試してみた。アプリに生活習慣を入力し、スマートウオッチから生体データを取り込むと、算出された肉体年齢は31.3歳だった。
普段ほとんど運動しておらず、睡眠不足も自覚していた。アプリの勧めに従って1万歩以上歩いたり瞑想(めいそう)したりすると、肉体年齢は0.5歳若返った。間食で菓子を食べるのも控え、節制を1週間続けると、老化スピードは「通常」から「スロー」に切り替わった。
注射でマウスの筋肉若く
日本にも老化にあらがう研究者がいる。慶応義塾大学の早野元詞特任講師は老化の防止薬や遺伝子治療の開発に取り組む。
人間なら70歳前後のマウスに老化防止薬の候補物質を注射すると、筋肉が若返り40歳代並みに活発に動いたという。加齢で筋力が下がる病気や認知症の患者に投薬する臨床試験(治験)を2026年にも始める。ゲノム編集技術を使う治験も27年の実施を目指す。
研究室には長寿を望む人から相談が相次ぐ。「人間の寿命は250歳以上を目指せる。長い時間がかかる遠い星への移住などの夢もかなえられる」(早野氏)
「魔法の薬」として注目されるのが、糖尿病薬「GLP-1受容体作動薬」だ。寿命を10年前後縮めるような深刻な肥満症の治療に応用できるとして、米国を中心に利用が急増する。日本でも2月に発売された。
総合診療を手掛ける谷口医院(大阪市)の谷口恭医師のもとには、他院でこの薬を購入した患者の相談が相次ぐ。安易な「やせ薬」のつもりで使用した例が多い。20歳代の女性は確かに食欲は減退したが、買い物や旅行への興味も失った。「何のために生きているのか分からない」と嘆く。
アイスランドでは同種の薬で自殺念慮や自傷行為が約150件報告された。欧州医薬品庁は23年12月「現時点では因果関係の結論を出せない」としつつも製薬企業に追加情報を求めた。
テクノロジーは若返りや健康の夢を引き寄せたが、人間の欲望は果てしない。寿命が延びたらあなたは何をしたいですか。